
2026年のFIT買取単価は10円/kWh(10kW未満・余剰売電)。制度の仕組みを正確に理解すれば、損をしない太陽光投資ができる。本記事で全て解説する。
FIT制度とは何か?3分で理解する基本の仕組み
FITとは「Feed-in Tariff」の略。日本語では固定価格買取制度と呼ぶ。
太陽光パネルで発電した電気を、国が定めた固定単価で電力会社が買い取る制度だ。
2012年7月に開始。再生可能エネルギーの普及を目的に導入された。
買取の流れ(ステップ順)
- 太陽光パネルで発電する
- 自宅で使い切れなかった電気を電力会社に売る(余剰売電)
- 電力会社が固定単価で10年間買い取り続ける
- 買取費用の一部は「再エネ賦課金」として全国民が負担する
重要なのは「10年間・単価固定」という点。
認定時の単価が10年間保証される。電気代が上がっても下がっても関係ない。
全量売電と余剰売電の違い
| 種別 | 対象容量 | 売電の方法 | 2026年単価 |
|---|---|---|---|
| 余剰売電 | 10kW未満 | 自家消費後の余剰分のみ売る | 10円/kWh |
| 全量売電 | 10kW以上50kW未満 | 発電した全量を売る | 12円/kWh |
| 全量売電 | 50kW以上250kW未満 | 発電した全量を売る | 10円/kWh |
※2026年度(令和8年度)の経済産業省公示単価に基づく
2026年の売電単価と過去との比較
☀️ 太陽光発電 見積もり
FIT単価は年々下がり続けている。
制度開始当初の2012年は42円/kWhだった。14年で4分の1以下になった。
住宅用(10kW未満)の単価推移
| 年度 | 買取単価 | 前年比 |
|---|---|---|
| 2012年 | 42円/kWh | ― |
| 2016年 | 31円/kWh | -11円 |
| 2020年 | 21円/kWh | -10円 |
| 2023年 | 16円/kWh | -5円 |
| 2024年 | 16円/kWh | ±0円 |
| 2025年 | 15円/kWh | -1円 |
| 2026年 | 10円/kWh | -5円 |
2026年度は2025年度比で5円の大幅下落。
過去最大幅の引き下げとなる。早期申請・早期認定が収益を守る唯一の手段だ。
単価が下がっても「損」にならない理由
単価が下がった理由は「パネル価格の下落」だ。
2012年当時の設置費用は1kWあたり約60万円。2026年は約20万円まで下がった。
単価は下がったが、初期投資額も同様に下がっている。
回収期間は2012年も2026年もおおむね8〜12年で大きく変わらない。
FIT認定の取得手順(2026年版・完全ガイド)
📖 参考書・テキスト
FIT買取を受けるには「FIT認定」が必要だ。
認定を受けた時点の単価が確定する。認定が遅れると単価が下がる。
ステップ1:施工業者の選定(認定施工士が必須)
FIT申請には「太陽光発電アドバイザー」または「太陽電池施工技術者」が関与する業者が必要だ。
資格を持たない業者が施工した場合、FIT認定が取り消されるリスクがある。
業者選定時に「PV施工技術者認定」番号の提示を必ず求めること。
ステップ2:再エネ電子申請システム(ASSETS)での申請
申請は経済産業省の「再エネ電子申請システム(ASSETS)」で行う。
必要書類は以下の通りだ。
- システム概要書(パネル型番・出力・配置図)
- 接続同意書(電力会社との系統連系契約書)
- 土地の登記簿謄本または建物の全部事項証明書
- 建築確認済証(屋根設置の場合は原則不要)
申請から認定までおおよそ2〜4週間かかる。
年度末(3月末)は申請が集中するため、最大8週間かかる場合がある。
ステップ3:系統連系工事と売電開始
FIT認定取得後、電力会社が系統連系工事を行う。
工事完了後、売電メーターが設置される。
売電開始は工事完了日の翌月1日から。
系統連系工事の期間は電力会社により異なるが、1〜3ヶ月が目安だ。
FIT期間終了後(卒FIT)はどうなるのか
FIT10年間の買取期間が終わることを「卒FIT」と呼ぶ。
2012年に認定を受けた家庭は2022年に続々と卒FITを迎えた。
2026年に設置するなら卒FITは2036年以降になる。
卒FIT後の主な選択肢
| 選択肢 | 買取単価の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 電力会社(デフォルト) | 約7〜8.5円/kWh | 手続き不要。自動移行 |
| 新電力への切り替え | 約8〜15円/kWh | 事業者により大きく差がある |
| 蓄電池の導入 | 自家消費で電気代削減 | 買取より自家消費の方が経済的 |
| EV(電気自動車)との連携 | 燃料費ゼロ | V2H設備が別途必要 |
卒FIT後は売電より「自家消費」の最大化が鉄則。
電気代の単価は30円超が続く見込みだ。
自家消費1kWhの節約効果は売電収入の約3倍になる計算だ。
2026年に使えるFIT関連の補助金・税制優遇
FIT単価の低下を補うのが「補助金」と「税制優遇」だ。
2026年に利用できる主要な制度を確認しておこう。
子育てエコホーム支援事業(2026年継続予定)
住宅省エネ化の補助金制度。太陽光パネルは対象外だが、蓄電池・断熱改修と組み合わせれば実質的な支援を受けられる。
2025年の補助額は最大60万円(省エネ住宅新築の場合)。2026年も同水準が見込まれる。
各都道府県・市区町村の独自補助金
東京都の場合、太陽光パネルに対して1kWあたり最大12万円の補助が出る(2025年度実績)。
4kWシステムなら最大48万円の補助になる計算だ。
大阪府・神奈川県・愛知県なども同様の補助制度を持つ。
自治体の補助金は設置前の申請が必須。設置後の申請は一切受け付けない。
住宅ローン減税(省エネ基準適合住宅)
新築住宅に太陽光パネルを設置し「ZEH水準」を満たすと、住宅ローン残高の0.7%を13年間所得税から控除できる。
借入限度額は最大4,500万円(ZEH水準適合住宅の場合)。
最大控除額は13年間で315万円になる。
FITとFIP制度の違い(2026年時点の整理)
2022年4月から「FIP制度(フィードインプレミアム)」が始まった。
住宅用太陽光はFITが基本。FIPは主に大規模発電事業者向けだ。
| 比較項目 | FIT(固定価格買取) | FIP(プレミアム上乗せ) |
|---|---|---|
| 単価の決まり方 | 国が固定単価を決める | 市場価格+プレミアム |
| 収入の安定性 | 高い(単価固定) | 変動あり |
| 主な対象 | 50kW未満の小規模 | 50kW以上の大規模 |
| 一般住宅での選択 | 対象 | 原則対象外 |
一般家庭ではFIT一択と考えて問題ない。
まとめ:2026年にFITを最大活用する3つのポイント
- 早期認定が命:2026年4月以降に認定を受けると単価10円が確定。年度をまたぐと翌年単価が適用される。
- 補助金は設置前に申請:都道府県・市区町村の補助金を先に確保してから業者と契約する。
- 卒FITを見据えた設計:蓄電池・EVとの連携を前提にシステムを設計すると、10年後の収益性も担保できる。
FIT単価10円の時代でも、補助金・税制優遇・自家消費の組み合わせで投資回収8〜10年は十分狙える。まず地元の補助金情報を調べるところから始めよう。
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