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農地への太陽光発電設置(営農型)の許可手続きと工事の注意点

農地への太陽光発電設置(営農型)の許可手続きと工事の注意点

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農地に太陽光発電を設置したい。でも、農地転用が必要なのか、許可はどこに申請するのか、工事で気をつける点は何か。この記事では、2026年版の法令・手続きをもとに、農地への太陽光発電設置(ソーラーシェアリング)の全手続きと施工注意点を具体的に解説します。

農地に太陽光発電を設置する「営農型」とは何か

営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)は、農地の上空に支柱を立て、農業を続けながら発電する仕組みです。

農地を「農地のまま」使い続けるため、農地転用ではなく「一時転用許可」を取得します。

通常の太陽光発電設置と決定的に異なる点が2つあります。

  • 農地を転用せずに発電できる(農業継続が条件)
  • 支柱の基礎は最小限にする設計義務がある

2026年時点で、全国の営農型太陽光発電の認定件数は累計約7,800件を超えています。

売電収入と農業収入の二重取りができる点が最大のメリットです。

許可が必要な法令と申請先の全体像

農地法第4条・第5条との違い

農地への設置には農地法の許可が必須です。

通常の太陽光発電(農地転用)は第4条または第5条の「永久転用許可」が必要です。

営農型は「一時転用(支柱設置のみ)」として第4条・第5条の許可を取得します。

種別 法的根拠 農業継続義務 許可期間
永久転用(通常設置) 農地法第4・5条 なし 無期限
一時転用(営農型) 農地法第4・5条 あり(必須) 3年ごとに更新

申請先は農業委員会と農林水産省

申請先は農地の規模によって異なります。

  • 4ha未満の農地:市町村農業委員会が窓口
  • 4ha以上の農地:都道府県知事(農林水産大臣への協議が必要)

2026年現在、農業委員会への申請から許可が下りるまで、標準で2〜4カ月かかります。

余裕をもって工事の6カ月前には申請を開始してください。

営農型太陽光発電の許可申請に必要な書類一覧

申請書類は主に以下の10点です。不足があると審査がストップします。

  1. 農地一時転用許可申請書(様式は各農業委員会で入手)
  2. 土地登記簿謄本(3カ月以内のもの)
  3. 公図・地積測量図
  4. 農地の現況写真(4方向から撮影)
  5. 営農計画書(作物の種類・収量・販売先を記載)
  6. 太陽光パネルの設計図・仕様書
  7. 支柱の構造計算書(一般的に専門業者が作成)
  8. 発電設備の配置図(農地面積と設備占有面積の割合を明記)
  9. 電力会社との接続検討回答書の写し
  10. 申請者の印鑑証明書

特に「営農計画書」の精度が許可の可否を左右します。

「作物はコメを年1回収穫、収量は10aあたり450kg以上を目標」のように数値で書くことが必須です。

許可を取るための3つの重要条件

条件① 下部農地の農業生産性を維持すること

農林水産省の通知では「下部農地の単収が地域平均の80%以上」を維持することが求められます。

初回許可から3年後の更新時に、農業委員会が収量実績を確認します。

80%を下回った場合、許可が取り消されるリスクがあります。

条件② 支柱基礎が農地を過度に占有しないこと

支柱1本あたりの基礎面積は原則0.5m²以内とされています。

農地面積の3%以上を基礎が占める設計は許可が下りません。

支柱の設計段階で施工業者と必ず確認してください。

条件③ 農作業機械が通行できる設計であること

支柱の間隔は農業機械の作業幅に合わせる必要があります。

トラクターの作業幅は一般的に1.8〜2.5mです。

支柱間隔を最低でも2.5m確保した設計が標準的です。

FIT認定の取得手続きと申請のタイミング

農地一時転用許可の取得後、FIT認定(再生可能エネルギー固定価格買取制度)の申請に進みます。

2026年度の農地設置(10kW以上)の買取価格は12円/kWhです。

申請はJ-クレジット制度を含む再エネ業務システム(通称:なっとく!再エネ)からオンラインで行います。

申請の流れは以下の順番で進めます。

  1. 農業委員会へ一時転用許可申請(6カ月前)
  2. 電力会社へ系統連系申請(許可申請と並行して実施)
  3. 農地一時転用許可の取得(申請から2〜4カ月後)
  4. FIT認定申請(許可取得後すぐに実施)
  5. FIT認定取得(申請から約1カ月後)
  6. 工事着工
  7. 電力会社の竣工検査・系統連系(工事完了後1〜2カ月後)
  8. 売電開始

FIT認定が下りる前に工事を着工すると認定が取り消される場合があります。

順番を絶対に守ってください。

工事の注意点① 支柱基礎工事での農地保全

営農型太陽光発電の工事で最も注意が必要なのが、支柱基礎の施工です。

農地の土壌を傷めない工法を選ぶことが義務です。

スクリュー杭工法が主流

コンクリート基礎を農地に打つ工法は許可されません。

スクリュー杭(螺旋状の杭を地中にねじ込む工法)が標準的な施工方法です。

スクリュー杭の主な仕様は以下のとおりです。

項目 標準仕様
杭径 76.3〜101.6mm
打込み深さ 1,200〜1,500mm
使用材質 溶融亜鉛めっき鋼管
基礎1本の占有面積 0.03〜0.05m²程度

施工前に必ず行うべき確認事項

  • 地盤調査(スウェーデン式サウンディング試験)で支持力を確認
  • 地下水位の確認(水田は特に注意)
  • 暗渠の位置確認(農業用排水管を破損しないため)
  • 隣接農地への日照影響のシミュレーション実施

工事の注意点② 電気工事と資格要件

必要な電気工事士の資格

太陽光発電の電気工事には資格が必須です。

工事規模によって必要な資格が変わります。

  • 低圧(600V以下)の配線工事:第二種電気工事士以上
  • 高圧受電設備の工事:第一種電気工事士または認定電気工事従事者
  • 系統連系の設計・施工管理:電気主任技術者(主任技術者選任が必要な場合)

農地は屋外かつ湿気が多い環境です。

ケーブルのIP保護等級はIP67以上を指定してください。

パワコンの設置場所は地面から600mm以上

農地は水田転換後でも浸水リスクがあります。

パワーコンディショナー(パワコン)の設置高さは地面から最低600mm以上を確保してください。

水没・浸水被害を受けると修理費用が100万円を超えるケースがあります。

2026年版の補助金・支援制度まとめ

営農型太陽光発電には複数の補助金が活用できます。

制度名 補助率・上限額 所管
農山漁村活性化再生可能エネルギー導入推進交付金 定額補助(事業費の1/2以内) 農林水産省
中小企業省エネ設備導入支援事業 補助率1/3・上限1,000万円 経済産業省
各都道府県の農業振興補助金 自治体により異なる(10〜50万円程度) 各都道府県

補助金は予算枠があり、早期に締め切られます。

2026年度分は4〜6月に公募が集中しています。見逃さないよう注意してください。

許可取り消しにならないための3年ごとの更新対策

一時転用許可の期間は3年です。

更新のたびに農業委員会が以下の3点を確認します。

  1. 農地単収が地域平均の80%以上を維持しているか
  2. 農業経営が継続されているか(販売実績・農業日誌の提出)
  3. 発電設備が適切に管理されているか

農業日誌は毎月必ず記録してください。

収量が80%を下回った場合でも、「天候不良など自然災害による減収」であれば更新が認められるケースがあります。

その場合は農業委員会に事前に相談することが重要です。

施工業者の選び方と確認すべき3つのポイント

営農型太陽光発電の施工業者は、農業と電気工事の両方に精通していることが必須です。

確認ポイント① 農地転用申請のサポート実績

農業委員会との交渉経験がある業者を選んでください。

「申請サポート実績が20件以上」を一つの目安にしてください。

確認ポイント② 電気工事業の登録番号

電気工事業の登録(都道府県知事または経済産業大臣への登録)を持つ業者であることを確認してください。

登録番号は見積書または会社案内に明記されています。

確認ポイント③ O&Mサービスの内容

設置後の保守管理(O&M)を担当できる業者を選ぶことが重要です。

年1回の定期点検と、パネル洗浄・パワコン点検が含まれるプランが理想です。

O&Mの年間費用の相場は50kWシステムで15〜30万円程度です。

まとめ:農地への太陽光発電設置で押さえる7つのポイント

  1. 農地一時転用許可は農業委員会へ工事の6カ月前に申請する
  2. 農地4ha以上は都道府県知事許可が必要
  3. 営農計画書は収量を数値で記載することが必須
  4. 支柱はスクリュー杭工法・基礎占有面積は農地の3%以内
  5. FIT認定が下りてから工事着工すること
  6. 3年ごとの更新に備えて農業日誌を毎月記録する
  7. 施工業者は申請サポート実績と電気工事業登録を必ず確認する

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